渋谷駅は谷底である。かつては海の中であったという。
その谷を見下ろす丘の上、かつての海岸沿いから最近縄文時代の集落跡が見つかった。渋谷は太古の昔から人々の集う場所であったのだ。
同じ丘を北に少し行くとラブホテル街が広がっている。街を興したのはかつてダムの底に沈んだ村から移住してきたダム建設賛成派の人々である。
今やそこから溢れ出した欲望の奔流が駅前スクランブル交差点を飲み込んでいる。
縄文から現代を貫いて渦巻く水の記憶。故郷の記憶。欲望の洪水。
今、この地で絵画は何をなせるだろうか。